夜 桜
薄れ行く意識の中 君は儚く舞い散る桜のように微笑んだ
二度とは戻れない 朧月夜

微かに聞こえた君の声 風にかき消されて もう聞こえない
静かに舞う花びら  閉じていた心を溶かす 桜色の

繋いでたハズのこのは いつの間にか解けて 掌に落ちる花びら
そっと握り締めた 桜の花

道の先に見えた満月 あの夜に誓った もう開かない
優しく降り注ぐ 桜の花びらだけが癒す
深い心の闇  霞んだ空に浮かぶ 零れた涙

今夜だけは涙を・・・ 明日からはまた笑顔で居られるようにと
頬を撫でる風 桜の木の下で

桜の花びらはただ儚く美しく舞い 立ち尽くす僕に降り注ぐ
あの頃には戻れない 朧月夜

2005.3.27