069:刹那の夢
夢を見た。 いなくなったはずのアナタが戻ってきた。
アナタは生きてく術を教えてくれた。
これからはずっと傍にいてくれるなんて 確証もないのに、そう思った。

総てを教え終わったアナタは、「じゃあね」って消えてしまった。
「待って」と追いかけても、風にさらわれたように いなくなってしまった。

苦しくなって目が覚めた。
夢だったんだって、気づいた。

それはとてもしくて、
それはとても残酷な夢だった。
2006.6.25
photo by  涼屋